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2015-08-24

香りを採出できる漢方生薬―「アモーマム カルダモン(白豆蔻、Amomum cardamomum)」




「アモーマム カルダモン(白豆蔻、Amomum cardamomum)」



基原:「ショウガ科(薑科、Zingiberaceae)」の「アモーッム属(Amomum)」で「カルダモン種(E. cardamomum)」であり、中国や台湾では別名「豆蔻、白蔻仁、白蔻、蔻米」とも呼ばれております。
また日本では和名*「小荳蒄(ショウズク)、小豆蒄」と呼ばれているものもありますが、これは「アモーマム カルダモン(白豆蔻)」と似ているが全くの”別物”となります。


*日本で「小荳蒄(ショウズク)、小豆蒄」と呼ばれているものは「エレッタリア カルダモン(Elettaria cardamomum)」であり、「アモーマム カルダモン(Amomum cardamomum)」とは別物であります。



主の成分:多くの発散性のあるエッセンシャルオイルを含んでおり、そのオイルには「オイデスモール(桉葉醇、Eudesmol)」、「α‐テルピネン(松油烯、ALPHA-TERPINENE」、「ミルテナール(桃金娘醛、myrtena)」、「ボルネオール(右旋龍腦、Fianranbingpian)(BORNEOLUM)」、*「樟脳(右旋樟腦、camphor)」などが含まれております。


*「樟脳(しょうのう)」:分子式 C10H16Oで「カンフル(蘭: camphre)」、または「カンファー(独: camphor)」と呼ばれることもあります。






「分布」


(カルダモン)は非常に多くの変種や近縁別種があり、そのため今市場に流れている(カルダモン)は「マイソール」、「マラバール」、「セイロン」など様々あり、「アモーマム」もその1つであります。



原産地は「インドネシア」、「スリランカ」、「マレー半島」などがあり、、そして今では主に「タイ」、「ベトナム」、「カンボジア」、「ラオス」、「スリランカ」や中国の「海南島」、「広西チワン族自治区」、「広東省」、「雲南省」など多くの”熱帯地域”から産出されています。




「用途」


主に漢方薬のとしてしようされ、漢方から見れば「辛、温」という性質を持ち、また「化湿(湿気を除去)、行気(気の循環を良くする)、止嘔(吐き気を止める)」などの作用があることから「胃寒湿阻氣滯嘔吐(胃が冷え、湿気で新陳代謝が悪く、気の循環が悪く、吐き気)」の治療に使用されております。


その他にも中国や台湾式の料理やデザートにも使用されることもあります。



「香り」
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2015-08-22

香りを採出できる漢方生薬―「蒼朮(ホソバオケラ 、Atractylodes lancea)」



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「蒼朮(ホソバオケラ 、Atractylodes lancea)」




基原:キク科の「オケラ属( Atractylodes)」で「ホソバオケラ種 A. lancea」、別名「ソウジュツ」とも呼ばれている。


主の成分:豊富なエッセンシャルオウルが含んでおり、その主の成分は「アトラクチロディン(蒼朮酮、atractylodin)」、「α‐オイデスモール(蒼朮醇、Atractylol)」、「オイデスモール(桉葉醇、Eudesmol)」、「ヒネソール(茅术醇、hinesol)」などがあります。







「分布」


主に朝鮮ロシア中国の(華中東部)に生息しており、そして日本では江戸時代、享保の頃に伝来し、今では特に「佐渡ヶ島」で多く栽培されております。
*よって日本では「サドオケラ(佐渡蒼朮)」とも呼ばれることもあります。



「用途」

昔の中国5月は「毒月」という不吉な時期だと思われており、当時は「蒼朮(ホソバオケラ)」を焚くことによって空気を浄化したり、「菖蒲 (あやめ、しょうぶ)、ヨモギ草、榕枝、焚いた蒼朮、白芷(びゃくし)」などを袋で包んで香り袋を作り、それを身に付けました。
その他にも薬草風呂に入ったり、雄黄酒(ゆうおうしゅ)を飲んだりするのも「魔除け」という意味合いがあります。
また、日本でも東京の「五條天神社(ごじょうてんじんじゃ)」にも「蒼朮(ホソバオケラ )」を焚いて魔除けをする儀式があります。


そして「蒼朮(ホソバオケラ)」のエッセンシャルオイルには強力な「除菌」作用がある事から、2002年のSARS問題が広がった台湾では品切れになる程「蒼朮(ホソバオケラ)」がブームになりました。


また、漢方では「中枢抑制」、「胆汁分泌の促進」、「抗消化性潰瘍を治療する」などの作用があり、よく使用する漢方調薬「啓脾湯、葛根加朮附湯」などにも含まれております。



「香り」


」の様な香りの中身僅かな「」の香りが混ざっております。


2015-08-17

香りを採出できる漢方生薬―「月桃(ゲットウ)」



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「月桃(ゲットウ)」


名称:「月桃(ゲットウ)」は台湾での名称ですが、実際に地域によっては様々な名称があり、中国では「艷山薑、艷山紅、枸薑、良恙、大草寇、草寇、草扣、灟水月桃、玉桃、虎子花、熊竹蘭」などと呼ばれ、日本の大東島や八丈島では「ソウカ」、小笠原では「ハナソウカ」、さらに沖縄では「サンニン」とも呼ばれております。


基原:「ショウガ科」の「ハナミョウガ属(アルピニア属)」の多年草であり、地下茎は横に這って地上に約2mの偽茎が立てます。
は楕円状で固く、さらに固く蝋細工の様な手触りがします。






「分布」


主にインドやマレーシア、インドネシア、中国、台湾、日本などの熱帯亜熱帯アジアに分布しており、種類は非常に多く台湾だけでも約18種類があります。
また、中国では「海南省、広西チワン族自治区、香港、福建、浙江省の東南部、貴州省の南部、四川省」などに分布し、日本では「沖縄県から九州南部」にまで分布しています。




「用途」


葉っぱは固く、さらに表面には蝋細工をしたような”防水”機能がありますので、台湾での原住民平埔族(へいほぞく)の中での「シラヤ族(西拉雅族:Siraya」と「マカドウ族(Makatto)」では米や餅を包んで蒸す”(ちまき)”の葉っぱとして使用されたり、さらに食べ物を置くときの敷き葉っぱとして使用されました。
また、同じく台湾の原住民(パイワン族とルカイ族)では乾燥した葉鞘(ようしょう)を編み物などを作っていました。


その他にもから採取したは甘い香りがしますので「アロマオイル」や「香料」、さらに「虫除け」としても使用されたりしました。
そして乾燥した地下茎や種は「漢方薬」として使用され、「 味・澀(渋い)・性」という性質を持っていることから

*行気止痛(気の流れを良くして痛みを止める)
*温中燥湿(内臓を暖めて湿気を取り除く)
*截瘧(悪性の流行病を治療する)

などの効果があると言われております。
また、柔らかい(くき)は生姜(しょうが)の代用品として使用することが出来ます。




「香り」


「月桃(ゲットウ)」のには多くの発散性のある「エッセンシャルオイル」が含まれており、そして地域や気候によって様々違う香りがします。


2015-08-12

香りを採出できる漢方生薬―「川芎(せんきゅう)」


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「川芎(せんきゅう)」



白芷(びゃくし)と同じく「セリ科(Umbelliferae)」になりますが、「シシウド属(當歸屬、Angelica)」ではなく「マルバドウキ属(Ligusticum)」に属しており、漢方薬で頻繁に使用する生薬になります。
高さ30~60 cmになる多年草で特に「根茎」から独特な香りをし、茎の先には沢山の小さな花が咲きますが実は結せず、漢方では湯を通した後に乾燥させた「根茎」使用します。


元々の名称「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」には「芎窮(きゅうきゅう)」、「蘼蕪(びぶ)」などと呼ばれていましたが、中国の「唐」の後期の頃、「四川」辺りに多くの品質の良い川芎が産出されることから「川芎(せんきゅう)」という名称になりました。






「分布」


中国の「四川省」と「雲南省」、日本の「北海道」、「宮城」、「奈良」など。

原産地は中国だとされていますが、日本でも「江戸時代の(寛永年代)」以後から栽培されるようになり、そして「明治の中期」から本格的に栽培されて今では北海道を始め日本各地に栽培されております。
よって現代日本で使用されている「川芎(せんきゅう)」は殆ど日本産になります。





「用途」


主に漢方薬として使用され、性質は「」で血気の循環を促進したり、頭痛などの痛みを柔らける作用があることから昔からよく「頭痛」を治療する薬として使用されたり、「婦人関係の病、冷え症、皮膚疾患用、消炎排膿」などの治療薬として使用されて来ました。
また、香りを長く持たせる「保香作用」がありますので「保香剤」として使用することも可能です。



「香り」


川芎(せんきゅう)」の中には発散性のある「エッセンシャルオイル」や「アルカロイド (英: alkaloid  中国語:生物鹸)」、「 有機酸(Organic acid)」などが含まれており、そして主の香りの成分は「エッセンシャルオイル」になります。
その香りは薄い「当帰(とうき)」のような香りがします。


2015-08-08

香りを採出できる漢方生薬―「草果(そうか)」


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「草果(そうか)」


別名:草果仁(ソウカニン)、草豆蔲(ソウズク)、豆蔲(ズク)、草果子(ソウカシ)、老蔲(ロウク)、草菓(ソウカ)...など。

成分:約2~3%の発揮性のあるオイルが含んでおり、その成分は「ピネン(pinene)」、「シネオール (cineol)」、「リナロール (linalool)」などになります。







「分布」

中国南部(雲南、広西、貴州)やタイビルマなどの地域に生息しております。



「用途」

「茎」や「葉っぱ」、「種」からは全てエッセンシャルオイルを採取する事は出来ますので香料の原料として良く使用され、また、中国雲南省での料理でよく臭い消しに使用されております。
また、中華料理で良く使用される香料「五香粉(ごこうふん」やカレーパウダーにも含まれています。


漢方では「去湿(湿気取り)・消滞(新陳代謝を良くする)・去痰(痰を除去する)」など”内臓を温める”効果があると言われ、さらに古来から「マラリア、または(おこり)」を治療する効果があると言われていますが、この場合は他の生薬と合わせて初めて効果が出るのようです。




「香り」

香りはスパイシーで僅かな「木質」の感じがします。