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2015-04-30

「催淫効果」がある身近な食品ーその②


「催淫効果」がある身近な食品ーその①から続く→


4.「胡瓜(キュウリ)」


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キュウリは古くから食用野菜として栽培され、そのスッキリで歯ごたえのある食感と、豊富な水分を含んている事から暑い地方での水分補給用野菜として珍重されてきましたが、近年米国での研究によりますと、キュウリの「香り」がに送る血流13%増加させる効果があると分かりました。



5.「アルコール」


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アルコールは「ストレス抑制」、「血行促進」、「催淫」、「本能開放」など様々な効果があり、適量に飲むと一気に相手と親しくなる事が出来ますが、飲み過ぎると男性の場合には勃起しにくくなる場合もあります。


よって、恋人と飲む場合は「ほろ酔い」程度に嗜むのがお勧めでしょう。



6.「蜂蜜(はちみつ)」


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蜂蜜(はちみつ)には豊富な「亜鉛」と「類パロチン」が含まれており、これらの成分は人々の性機能に強い影響をもたらします。
また、同時に含まれている「アセチルコリン」は副交感神経を優勢させ、精神をリラックスさせる作用や老化防止の効果があります。


そして蜂蜜(はちみつ)の「糖質」は速やかに吸収されますので、「体力回復」作用にも期待出来ます。

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2015-04-30

「催淫効果」がある身近な食品ーその①


昔からは「媚薬」といえば、様々な手に入り難い「植物性・動物性香料というイメージがありますが、実は以外にも我々身近な食べ物に媚薬効果があるとされている物が少なくありません。

そして今回は比較的に手に入れ易い「媚薬効果」のある食品を見てみましょう。
今まで多くの研究によりますと、以下の6つが媚薬効果の高い食品だと言われています。


1.「チョコレート」


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甘くてとろけるチョコレート、多くの女性に人気ですね。
バレンタインの定番食品となっていますが、実には訳があります。


遥か昔、マヤ・アステカ文明では「滋養強壮」の為にカカオ豆をすり潰して液状にした物を飲んでおり、その後カカオがヨーロッパに伝わり、強い「疲労回復興奮剤媚薬」などの効果がある事から多くの王族貴族に愛飲され、さらに「」として利用されて来ました。


そして何といってもチョコレートには「フェニール・エチル・アミン(PEA)」という成分が含まれており、これは「恋愛感情」を起こすホルモンと似た様や作用がある物質であります。
そのため、チョコレートを食べると催淫効果をもたらすと言われています。




2.「イランイラン」


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神経をリラックスさせたり、ホルモンバランスを整えたり、さらに女性不感症男性インポテンツにも効果のある「イランイラン」。
その粘る様なエキゾチックで甘い香りは、人に興奮させ、陶酔させる様な「催淫効果」があると言われています。


そしてインドネシアでは新婚した夫婦の初夜のベッドにこの花の花びらを敷き、エッセンシヤルオイルを撒く習慣があり、イランイランのフローラルで甘く、そしてセクシーな香りに包まれると想像力を豊になり、自信を持つ様になりますので、2人は幸せな気分になれます。


また、その香りは持続性がありますので、「バスオイル」として使用すると「高揚効果鎮静効果」の両面を持ち、さらに「催淫効果」も発揮し、肌を整える効果もあります。



3.「ジャスミン」


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昔から「ジャスミンオイル」は「催淫効果」があると言われ、その効果は高く評価されており、そしてインドヨーロッパでも媚薬の重要成分として重宝されました。


特にインドでは男性の性器強化に使用したり、女性興奮させる作用があるとされたので、マハラジャのハーレムでも使用されていました。
また、その「エッセンシャルオイル」は「ホルモン分泌調整」、「強壮作用」、「子宮活性」などの効果がある事によって、性感を向上させる作用があります。


「催淫効果」がある身近な食品ーその②へ続く→
2015-04-29

媚薬は果たして存在するのか?


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この世に果たして「媚薬」は存在するのか?
多くの人は「媚薬」という言葉を聞きますと、惚れ薬・強精剤・性感を高める・催淫剤など何となく「淫靡」なイメージを浮かび上がりますが、実は遥か昔では「神聖」な物だと考えられ、医療錬金術魔術など様々な分野で利用されてきました。


現代で「媚薬」と表して市販されてる多くの製品は法律禁止されている「危険成分」を含んている物や「原料・製造元不明」な物が殆どです。
*(誤って覚せい剤やヘロインなど麻薬を含んている物を購入して逮捕されたり、時には「」に至る恐れがありますので、購入する事は正直お勧めしません


ですので現在市販されている怪しい「媚薬」を割愛し、ここでは単純に歴史上媚薬効果」のあるとされた(植物性・動物性)香料を見てみましょう。


「植物性香料」

1.麻薬

2.マンドラゴラ(マンドレイク)

3.カルダモン

4.アニス

5.キャラウェイ


「動物性香料」

1.麝香(ムスク)

2.龍涎香

3.シベット(麝香猫)

4.カストリウム
*カナダやシベリアに生息している(ビーバー)の香嚢から採取した分泌物を乾燥したものです。


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以上が歴史上代表的な媚薬効果のある(香料)であり、大まがいに「植物性」と「動物性」に分けられております。
そして「動物性」の方が比較的に効果があって人気があります。

ただ、現代では動物保護絶滅回避を兼ねて、動物を殺害して天然の動物香料を使用するのではなく、殆ど科学合成された「合成香料(合成ムスク、合成龍涎香など)」を使用しています。

実際今使用されている香水の大部分は「合成動物香料」が含まれています。

しかし例え合成でも、元々麝香(ムスク)などは異性を引き寄せる(フェロモン)という効果があり、現在の合成動物香料(合成ムスク)も媚薬的な香りに近付け様という研究から生まれた物なので、媚薬的な効果はあるでしょう。


これから香水を購入する予定のある人はこれらの香料をお店で確認してみてから購入してみればいかかでしょうか?
もしかしたら付けた日から異性の自分の見る目が変わるかも知れませんよ。


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2015-04-28

世界3大美女の1人「楊貴妃」も愛用していた飲む香水ー「体身香」。媚薬の効果も?!


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「香水など外から加えるのではなく、自然にから良い香りを出せるならどんなに良いのか?」
これは多くの女性が1度は考えたことのある事でしょう。


実際遥か昔から人々は身だしなみを整えるだけではなく、より異性を引き寄せる為に香りを身に着ける努力をしてきました。


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「媚薬の効果もある飲む香水ー体身香」


中国では、の時代に「体から香りを出す」という願いを実現する為に、(香料)を飲む美容術を開発しました。
医心方」という日本最古の医書で(隋、唐)時代の医学集大成といえるこの本に、「芳気法」という(香料)を飲んで体から香りを漂わせる方法が記載されています。

その記載によりますと、使用する香料は(丁子零陵香麝香桂皮甘松香)などになり、これらの香料を粉末にして練り、丸めた「香薬」を3日間12個というペースで飲み続けるとの事です。


そしてこのペースで飲み続けると、最初の3日間の中が香りをし、5日目にはから香りが漂い、10日目衣服に香りが付着する様になり、20日目周りの人も気付く程の芳香を放ち、25日目は顔や手を払ったに香りが移り、そして1カ月後には抱いた赤ちゃんにも香りが移る様です。

さらに香りを放つだけではなく、「媚薬」としての効果もあり、当時その効果は驚くほど高く「満身秘薬」として多くの人々に愛用され、「体身香」と呼ばれていました。


この「体身香」はかつて中国の4大美女の1人「楊貴妃」も愛用していたと言われています。


そして間もなく奈良時代日本にも伝わり、貴族から僧侶までこれらを「美容」や「健康」、「強精」の妙薬として愛用してきました。


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2015-04-28

「体内(内側)から香りを出す」発想は実は遥か昔から存在していた?!


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今でも多くの薬局では「薔薇オイル」を配合しているサプリメントを販売しており、多くの女性から人気を獲得していますね。
今までは香水やヘアー&ボディミスト、香り付きの乳液やシャンプーリンスなど「外面」から香りを付ける商品が製造販売されており、人気を獲得していましたが、そんな中、ある企業から「どうせなら外からではなく、(内側)から香りを出せる商品を販売しよう!」という発想が出ました。


それは1番最初に「食べたら体の(内側)から香りを出せるソフトキャンディー(ふんわりか)」を発売した「Kracie(クラシエ)」という企業です。
今ではふんわりかの他に「カラダ香る、ローズ水」やベリー味の「ふんわりか」など発売しており、さらに他の企業でもこの発想を元に様々な「薔薇オイル」を配合しているサプリメントを発売しています。


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果たしてこれらの製品は効果はあるのかは人それぞれの個人差や感想の違いがあるので、何とも言えませんが、少なくとも多くの女性は「香り」に対して強い執着心が持っているのが分かります。



そして実は「体内(内側)から香りを出す」という発想はつい最近ではなく、遥か昔から存在しており、さらに様々な研究を行っていた様です。
西洋では体外(外側)から香りを加えるという発想の元で、多くの「香水」を開発し、「香水文化」が発達したのですが、東洋の場合ですと体内(内側)から香りを出す発想の元に、薬草香料を使った様々な研究を行っておりました。



「体から香りを発散する謎の姫ー香姫」


例えば中国の清代に、ある「香香公主(香り姫)」という非常に芳しい芳香を放つ女性がいました。
彼女は約1745年頃、新疆カシュガルの貧しい家に生まれ、生まれて間もなく身体中から「麝香」の匂いが発散するとの事です。
そして大人になってもその香りは消える事なく、また、その芳香で皇帝の「乾隆」を魅了しました。


のちに彼女は皇帝乾隆に「香姫」と名付けられました。


香姫」の身体が香る秘密に関しては様々な推測がありますが、その中の1つは「花を食べる」だそうです。
推測では彼女は毎日(桃の花)や(梅の花)、(金木犀)や(茉莉花)など様々なを食べ、そして花の中に含まれている香りの成分が身体から発散する事によって香りを放ちでいたのですが、その真相は今になってものままです。

何とも謎に包まれたミステリアスな女性ですね。


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身体から香りを発する謎の美女「香姫」
2015-04-28

カレ-を食べると動脈硬化を予防出来る?!

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今では日本でも多くの人に馴染みな家庭料理「カレー」。
様々なスパイスを使用しているカレーは実は多くの健康効果を持っているのです。

基本的にカレー粉に含まれているスパイスは以下の様な物があります。

「クミン」、「カイエンペッパー」、「コリアンダー」、「ターメリック」、「サフラン」、「胡椒」、「パプリカ」、「ニンニク」、「クローブ」、「生姜」、「シナモン」、「カルダモン」、「オールスパイス」、「ナツメグ」、「キャラウェイ」などなど、まさにスパイスの集大成ですね。

抗酸化力の高いスパイスをふんだんに使っているので、当然カレーの抗酸化力は強く、様々な健康効果をもたらします。
その1つ注目的な効果というには、多くカレールーやパウダーを製造販売している会社「ハウス食品」が確認した「血管内皮機能」の改善です。



カレーを食べれば動脈硬化を予防出来る?!」

ハウス食品は7月3日、広島大学の東幸仁教授との共同研究で、カレーには「動脈硬化予防」の効果が有る事が分かりました。
そしてその臨床試験の結果も発表していました。

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抗酸化力の比較 ORAC値(μmol TE/食) 資料:ハウス食品



血管内皮機能が低下し、動脈硬化が進展する様々な原因の1つには、食後の血糖値上昇によって起こる「酸化ストレス」だと知られています。
血管内皮機能が低下すると、「悪玉コレステロール(LDL)」が血管内皮細胞の隙間から血管に入り込み、そこで酸化して「酸化LDL」に変化し、白血球の一種(マクロファージ)に取り込まれる様になります。

その積もり積もっての結果、「動脈硬化巣」が形成する様になります。

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血管の構造。血管の内側は一層の血管内皮細胞から構成されている 資料:ハウス食品


そこで、抗酸化力の高いカレーを食べると酸化ストレスを除去し、血管内皮機能正常に保つ事が出来ると臨床試験の結果で分かりました。

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カレーの単回摂取が血管内皮機能に及ぼす影響 資料:ハウス食品


皆さんも今夜の夕食は、カレーでも召し上がりませんか?
2015-04-27

香木「白檀(びゃくだん)」


「白檀(びゃくだん)」


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白檀の木は原産地の「インド」を始め、インド南部の「マイソール」やインドネシアの「チモール島」、「オーストラリア」など、大洋平諸島に広まっている(ビャクダン科)の熱帯性常緑樹ので、世界中に約30属400種もの種類があり、そのものが爽やか甘い芳香を放つのが特徴です。
しかし、幼芽は香る事無く、香木香料)として利用出来るのは少なくとも40年~50年掛かる必要があります。

そして同じ白檀でも「ハワイ」、「ニュージーランド」、「フィジー」、「ホメイ」などで生産している白檀は香りが少なく、殆ど香木として利用されていない
そしてインドの「マイソール」で生産した白檀が最高品質とされ、「老山白檀」という別称で呼ばれています。

また、1本の木でも「部分」によって色や放つ香りが違い、心材の色は「淡黄色」や「褐色」であり、非常に優雅艶めかしい香りを放ちます。
しかし辺材に行くほど色が徐々に白くなり、香りも減っていきます。
高級香料」としての白檀この「心材」の部分のみ取り出した物です。

そして「白檀」は最初は独立で生息しますが、その後「吸盤」を使い、他の植物に寄生する「半寄生植物」なので、幼木の時は「イネ科」、「マメ科」、「アオイ科」などの植物に寄生し、そして成長すると寄生性も強くなり、「タケ類」や「ヤシ類」にも寄生する様になります。

人間にとって良い植物ですが、他の植物にとっては余り良い木では無い様ですね。
ちなみに中国では「栴檀(センダン)」と呼ばれています。


「分布・起源」

原産地は「インド」で、インド南部の「マイソール」やインドネシアの「チモール島」、「オーストラリア」など大洋平諸島に広まっています。

インドでは古くから「サンスクリット」で「チャンダナ」と呼ばれ、仏典「観仏三昧海経」では牛頭山に生える「牛頭栴檀」として有名であり、栽培され、約紀元前5世紀頃には既に高貴香木として利用されてきました。


「用途」

香木」としてそのまま利用出来るだけではなく、蒸留によって採取した「白檀油」は「殺菌作用」、「利尿作用」がありますので、(鎮痛、解熱、健胃、食欲増進、あかぎれ、しもやけ)などの治療に使用されています。
これによって、インド中国では「万病の妙薬」として重用され、さらにインドでは「穢れを去る」効果のある香料として考えられていました。

また、沈香と違って熱を加えなくても十分な芳香を放つので、仏教の(仏像や数珠)などの仏具を始め、日本では扇子に作ったり、さらに香り袋を作る際の「香料」としても使用されてきました。

その他に、「線香」の原料として頻繁に使用しています。


「香り」

熱を加えなくでも、優雅艶めかしく、さらに爽やか甘い芳香を放ちます。

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2015-04-26

香木「伽羅(きゃら)」


「伽羅(きゃら)」

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沈香」の中でも最上品とされる物が「伽羅(きゃら)」と呼ばれており、中国や台湾などでは「伽南」、「奇南」、「奇楠」とも呼ばれています。
によってその「呼び方」や品質の「ランク分け基準」も様々ですが、基本的には油分多く濃く、さらに油分の沈着緻密均等分散している物が良質とされています。

*「沈香」とは?

産出量極少な上、香りの生成も非常に長い年月が必要な為、香りは多層複雑で、古くから「至上の宝」として「」同様貴重な物だと見なされていました。
しかし貴重な物として乱獲された事から、今では「ワシントン条約」の希少品目第2種に指定されています。

昔から日本では「伽羅」と言えば「非常に良い素晴らしい」と指しており、「伽羅を言う」はお世辞を言う、「伽羅女」は美しい女性、さらに「伽羅の御方」は本妻で、「伽羅臭い」は身分不相応に見栄を張っているという意味を示しています。
この様に古くから多くの庶民を含め、「伽羅」への憧れによって褒め言葉の代名詞となったのです。


「分布・起源」

沈香の中で特に質の良い物(油分が多く、の濃い)を「kālāguru(カーラーグル)つまり(黒沈香)」と呼び、これが「伽羅」の語源とされています。
さらにによって「伽南香」、「奇南香」とも呼ばれています。


「用途」

非常に貴重で繊細な香りを楽しむ「香道」の主香材ですので、主に「聞香」という形で香りを鑑賞されます。


「香り」

極めて高貴上品な香りをし、古くからその香りは天地自然の「」と「」を備え、邪気や穢れを去り、清く澄み切って人の)を正しくすると言われています。

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2015-04-26

香木「沈香(じんこう)」


「沈香(じんこう)」


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東南アジアに生息している植物(ジンチョウゲ科ジンコウ属)の「」で、風雨病気害虫など様々な災害によって木の部分が侵害され、その際身を守る為の防御策としてダメージ部分に「樹脂」が分泌します。
そして「樹脂」が蓄積した物を乾燥させ、木部を削り取った物が「沈香」であります。

主に香りを発生するのは木質の部分ではなく、「樹脂」の部分ですので、樹脂が多ければ多い程香りは増し、その「比重」が重くなり、沈む事になります。
そのため原木の比重は0.4と非常に軽く、に浮かびますが、樹脂の沈着が増えると比重が増し沈みます。
古代インドのサンスクリット語(梵語)の「aguru(アグル)」または「agaru(アガル)」では「重い」、「水に沈む」という意味を持っている事から「沈香」という名が付けられ、さらに古くから「沈水」、「沈水香」とも呼ばれています。

しかし、中には「樹脂」の量は少なくないけど沈着緻密ではないので比重が軽く、浮かぶ物もあります。
その様な物は「桟香(さんこう)」と呼ばれ、同じく沈香ですが、その価値は低いです。

樹脂」が沈着する木は(アキラリア属)や(ゴノスチラス属)、さらに(ジンコウ属)などがありますが、これら全てが沈香を生産出来るとは限りません。
風雨や災害によって生じた傷や害虫や微生物によって出来た「樹脂」が枯死や土に埋もれた物を「偶然」に見付けるしか方法はありません。
しかも少なくでも25年~60年以上生きてきた「老木」出ないと、沈着は生じません。

そのため、「沈香」は古くから貴重香木であり、その中でさらに高級な物は「伽羅(きやら)」と呼ばれています。


「分布・起源」

日本書紀」での推古天皇3年595年)の頃、「淡路島」に沈香が漂着したという記載が最古の記録であり、「東大寺正倉院宝物」の中には長さ156cm、重さ11.6kgという巨大な香木「黄熟香(蘭奢待)」が納められております。
これは鎌倉時代以前から日本に伝してきたと推測出来ます。

沈香」の産出地はインドの「アッサム地方」や「デカン高原」、「ラオス」、「ミャンマー」、「ベトナム」、「カンボジア」、「タイ」、「マレー半島」、「中国」、「インドネシア」、「西イリアン」、「ボルネオ」、「スマトラ」、「海南島」など熱帯、亜熱帯圏の国々の熱帯多雨林であります。

現代ではベトナムなどの「インドシナ半島」での生産が減少し、「西イリアン」まで足を踏み入れる様になりました。


「用途」

香りの構成要素は非常に複雑で、例え同じ木から採取した物でも採取した「部位」や加熱の「温度」によって香りが全く異なり、しかしそれによって「香料」として粉末にし、他の香料と調和して様々な「練香」や「線香」の材料として使えます。

また、漢方薬では「強壮、鎮静」の効果がある事から生薬として使え、「奇応丸」などにも配合されています。


「香り」

そのままだと余り香りませんが、を加える事で独特の芳香を放ち、その香りは幽玄清澄、さらに上品な感じでをします。
そして時間が立つに連れ、甘い香りが増する事になります。

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2015-04-24

薬種・香原料「牛黄(ゴオウ)」


「牛黄(ゴオウ)」

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牛黄」と書いて「ゴオウ」と読み、胆嚢胆管などに出来た「結石胆石」であり、千頭に1頭の割合でしか発見する事が出来ないので、非常に貴重な物になります。
さらに中国の生薬古書「本草綱目」(1590年)では「これ以上高価な薬物は無い!」と記載されており、その効き目だけではなく、を大量屠殺出来なかった時代では入手が非常に困難だと分かります。

また近年では牧場の衛生・栄養管理がさらに厳しくなりましたので、(結石胆石)を持ったはより少なく、「牛黄(ゴオウ)」は益々貴重な生薬となりました。

牛黄」は約1センチ~4センチ不規則な球形をしており、時にはの取れだサイコロの様な形をしております。
さらには赤みがかった「黄褐色」で重さは軽く、割ると中身は木の年輪の様な同心円状の層があり、に含むと心地好い苦みと微かに甘みがある物が良品とされています。 

極めて貴重高価な物なので、古くから(ウコンを練り固めた物)や(白泥を牛の胆汁と混ぜ合わせて作った物)など様々な「偽物」が出回っていましたが、現代では科学分析技術が進んているので、この様な偽物は殆ど輸入しなくなりました。
しかし偽物が消えた訳ではなく、しかも粉末にすると更に区別が難しいので、購入する際は十分に注意を払う必要があります。


「分布・起源」

牛黄」に関する記載は日本最古の法典「律令」で既に記載されており、内容は「国の所有する馬や牛が死んだら皮や角などを集める、特に(牛黄)を発見したら必ず中央政府に献上する」という決まりでした。
しかも注釈書に牛黄に関する説明が全く無い事から、この頃(7世紀頃)では既に多くの民間人が牛黄は薬用になる物だと理解している様です。

そして中国最古の薬物書「神農本草経」では約365種類の薬物が記載され、「上品」、「中品」、「下品」の3品に分けて記載されています。
その中で「牛黄」は「上品」の部類に分類されています。

*「上品」:無毒で長期服用が出来る養命薬。
*「中品」:毒にもなり得る養性薬。
*「下品」:毒性が強く長期服用が出来ない治病薬。

また、5世紀北インドで成立した大乗仏教の主要な経典「金光明経」にも既にサンゴロカナスクリット語で「牛黄」である「崖庭折郷」の記載があり、これによって「牛黄」は最初中国インドで薬として使われ、その後仏教と共に日本に伝わったと考えられます。

現在主の生産国は(オーストラリア、アメリカ、ブラジル、インド)など、大規模な食肉加工設備がある国が中心ですが、BSE問題で北米産の牛黄の使用が禁止され、さらに中国での需要が以前より高まっているので、国際価格は上昇しています。


「用途」

現在日本では「日本薬局方」という医薬品の公定書に収載され、漢方薬で(滋養強壮薬、風邪薬、強心薬、小児用薬、胃腸薬)など様々な医薬品として使われています。

お香」の原料として使う事は極めて珍しいですが、近年中国では、牛黄をイメージした香料を使用して作られた「お香」を作ったり、さらに「人造牛黄」を作るなど、牛黄をこれまで以上に利用しようと考えております。


「香り」

に含むと、心地好い苦みと微かに甘みがあります。

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2015-04-24

薬種・香原料「一角(いっかく)」


「一角(いっかく)」

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主に北極圏に生息している(クジラ目ハクジラ亜目イッカク科)の小型クジラ「イッカククジラ(一角鯨)の」であります。
体長はで約4.7m、雌で約4.2mに達し、雄の体重は1.5tに達する事もありますが、は殆ど1tにも満たさない。
全体的に胸びれは短く、成体では先端が上方に反り、背びれは持たない。

」を持っているのは「」のみです。

の持っている「」は非常に長い牙であり、この長い牙は「」が変形した物であります。
体長が最大で4.7m程度があるクジラに対し、その「角」は長さ3m重さ最大10kgにも達する事もあります。
通常は1本しか持っていないが、500頭に1頭程度の確率で1頭に2本持っている個体も存在します。

そして「雌」は角を持っていないが、約3%の確率で約1.2mの華奢な牙が生える事があります。
今ではその生存数は少なく、国際的条例によって国内輸入は禁止とされています。


「分布・起源」

イッカククジラ(一角鯨)」を見れる海域は北極海北緯70度から北、大西洋側とロシア側であります。
多くは「ハドソン湾北部」、「ハドソン海峡」、「バフィン湾」、「グリーンランド東沖」、「グリーンランド北端」から東経170度辺りの東ロシアに掛けての帯状の海域で見らますが、目撃例の最北端は「ゼムリャフランツァヨシファの北(北緯85度)」で、北緯70度から南は殆ど見られていません。


「用途」

西洋ではユニコーンの角は解毒作用があると考えられていた為、中世ヨーロッパでは多くの商人が「イッカククジラ(一角鯨)」の角を「ユニコーン」の角だと偽って販売していました。

そして日本江戸時代でもオランダ商人によって「イッカククジラ」の角が日本に伝わり、当時の百科事典「和漢三才図会」(1712年)でもイッカククジラ(一角鯨)が紹介されていました。
そして現在中国でも「解熱、解毒作用」があるとして漢方薬の材料として使われています。

ただ、現在「香料」の材料としては殆ど使われておりません

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2015-04-24

薬種・香原料「鬱金(ウコン)」


「鬱金(ウコン)」


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ショウガ科の植物の根茎で、主に輸出国インドの他にインドネシア中国バングラデシュ南アメリカ、さらにカリブ海の国々にも生産し、高温多湿の地域が好まれます。
非常に丈夫な多年草植物で、高さ1mにも及びます。

麝香の様な香りと美しい金色が良質とされ、特に南アジアでは香料着色料など広く使われています。
主に揮発油の(フェラドレン)と黄色い色素クルクミン)を含んており、別名「ターメリック」とも呼ばれています。


「分布・起源」

主要輸出国インド」の他に「インドネシア」、「中国」、「バングラデシュ」、「南アメリカ」、さらに「カリブ海の国々」など、主に南アジアで多く生産されています。

かつでマルコ・ポーロは旅先で「ターメリック」と出会い、「果実は(サフラン)に似ており、種類は全然違うが十分に代用出来る!」と書き残し、いずれサフランでの代用品として「ターメリック」は西洋で広まると予想しています。

また、東洋の国々では長い時期「染料」として使われ、さらに魔力を持つ物だと考えられ、「魔除け」としても使われて来ました。

ターメリック」での取引はホール(加工していない)の形で取引されますが、消費国では殆どパウダー状にして売られています。
ただ時々西洋のオリエンタルショップでは生な物を見る事も出来ます。


「用途」

主にカレーなど南アジアでの「料理」に使われる他、黄色い色素(クルクミン)も含んておりますので「染料」としても使われています。
また、中国漢方薬では「止血・健胃薬」の他に、「強状剤」や「肝臓の治療」にも使用されてきました。
さらに近年ではその健康効果が注目され、様々な健康食品にも配合される様になりました。

昔ではよく「香料」として使われて来ましたが、最近では殆ど使われていません


「香り」

オレンジジンジャー(生姜)を混ざった様な刺激的フレッシュな香りで、味はピりっとした苦みがあり、少し麝香と似ています。

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2015-04-24

薬種・香原料「薫陸(くんろく)」


「薫陸(くんろく)」

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インドイランの乾燥高地等に自生している(カンラン科植物のクンロクコウ類 )の樹脂であり、土中に埋まれて生じた半化石状樹脂であります。
固まった石の様な物で色は「黄褐色」や「暗褐色」をしており、琥珀と非常に似ているので、よく琥珀と間違われてます。
また、乳頭状の物は乳香と非常に似ており、「名医別録」では薫陸香の名は収載されていましたが、「本草綱目」では薫陸香乳香同一物だと扱われて来ました。

しかし今では中国でも日本でも薫陸香と乳香は完全な別物だと考えられています。

主に香料薬剤として使用され、かつては正倉院などにも古くから伝わり、「五香」に1つにも数えられるなど重要な香料でしたが、現在では使われる機会は少ない


「分布・起源」

インド」や「イラン」、「ペルシャ」、「インドネシア」等に自生し、さらに日本(岩手県・福島県)でも生産しています。
乳香と似ている為、中国の生薬古書「本草綱目」(1590年)では薫陸と乳香は同じ物だと扱われて来ました。

しかし現在では日本でも中国でも「薫陸香」は「洋乳香(マスチック樹脂)」であり、「乳香」は「カンラン科の植物の樹脂」、一方「薫陸香」はインドやアフガニスタンに生産している「ウルシ科のクンロクコウの樹脂」だと、全くの別物だと分かりました。

かつで古代オリエントエジプトで利用された乳香がインドに伝わり、インドでは乳香と似ていた「クンズルの樹脂」を乳香と混ぜて加工使用し、そして5~6世紀頃これが中国に伝わり「薫陸香」と呼ばれました。
その後8世紀頃、本物の乳香アラビアから伝わり、その為「乳香」と「薫陸香」区別が紛らわしくなったと言われています。


「用途」

主に薫陸香の「香料」の他に、「抗菌効果」もありますので漢方薬の呼吸器を治療する「薬剤」としても使われています。


「香り」

そのままだと爽やか苦味がしますが、焚く松の木を燃やした様な香りを漂います。

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2015-04-23

薬種・香原料「排草香(はいそうこう)」


「排草香(はいそうこう)」

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シソ科の(カワミドリ)のを乾燥させた物で、主な産地は中国ですが、日本の(千葉県房総半島以西、伊豆、紀伊、四国、九州、沖縄)などにも自生しています。
漢方薬では「芳香性健胃薬」として使用されているが、日本では「薫香料」のみ使用されています。

は直立しており、稜があって高さは30~80cm。
は長さ1~2.5cmの葉柄 によって互生し、形は披針形で長さ5~10cmで両端は尖っております。


「分布・起源」

中国の生薬古書「本草綱目」(1590年)では既に排草香に関する記載があり、日本の植物学者「牧野富太郎」博士は「頭註国訳本草綱目」(1930年)でこれを(モロコシソウ)だと主張しました。
また、零陵香(れいりょうこう)という生薬があり、中国はこれを中国名の「霊香草」を当てています。
これが「モロコシソウ」なのか分からない。
ただ、「全国中草薬彙編」(1983年)では茎の下半部が地面をほうようになると記載し、その他はほぼモロコシソウに似ているが、零陵香起源植物は分からないまま、真相はまだである。


「用途」

防虫、防臭」効果が有りますので、部屋の中につるしたり、またはたんすの中に入れて服の防虫に使いました。
また、漢方薬では(鼻詰まり、歯痛、風邪によって引き起こした頭痛)などを治療に使ったり、駆風薬としても使用されています。

その他に清涼感のある香りを漂うので、昔から「薫香料」として使われたり、「お線香」の原料としても使われていた。


「香り」

優しいミントの様な清涼感な香りであり、尚且つ幽かな甘み持っています。


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2015-04-23

薬種・香原料「山奈(さんな)」


「山奈(さんな)」

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ショウガ科の草本(バンウコン )の根茎を乾燥させたもので、主に中国(広東・広西・雲南)、台湾マレーなど東南アジアに自生し、通常根茎を輪切りした物を使用します。
インドではカレーの食用色素スパイスとして使用されているが、日本では江戸時代から渡来し観賞用に栽培されていましたが、食用としては今でも使用されておりません。

白色粉性があり、肥えて大きく香り濃厚辛みの強い物が良質とされています。
また、「縮皮突肉(外皮はしわしわですが、中身はぷっくり充実している)」物が良いと言われています。


「分布・起源」

主の産地中国台湾、さらにインドマレーなどの東南アジアである。


「用途」

主にカレー粉の原料などの「香辛料」、「食用色素」として使われ、また、「抗真菌作用・消炎作用」がありますので、漢方薬では「健胃薬」として使用したり、冷えによる「腹痛消化不良歯痛」などの治療にも使われています。

しかし、殆どの場合は「薫香料」として利用される事が多い。


「香り」

濃厚で、かつ辛みの強い香りがします。

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2015-04-23

薬種・香原料「蕾香(かっこう)」

「蕾香(かっこう)」


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シソ科の(パチョリ)、または(カワミドリ)の全草を乾燥させた物で、前者を「広藿香」、後者を「藿香(排香草、野藿香)」と呼んでいます。
両者は完全に別物なので購入する際は注意が必要です。
は四角形で直立し上部で枝分かれ、高さは約50~100センチもある大型多年草であり、全体的に強い芳香を漂います。
は柄があって対生、形は卵形で葉縁には鈍鋸歯をしており、先端は尖っています。
そしては夏から秋に掛けて茎頂に花穂を伸ばして円柱状に紫色の花が咲きます。

花が咲く頃に全体を切り取って採取しますが、陰干しにし、乾燥させた物を「生薬」として「藿香(かっこう)」と呼び、日本の民間薬では「排草香(はいそうこう)」と呼ばれています。


「分布・起源」

(カワミドリ)は中国台湾シベリアインドネシアなどに分布し、中国では薬用に使用する為栽培もしています。
そして日本でも(北海道、本州、四国、九州)などの草原に自生しています。

名前の由来は不明ですが、一番最初に薬材として記載されていたのは約公元3~4世紀中国(魏~晉)の「名醫別録」の様です。


「用途」

健胃薬」としての治療効果がありますので、漢方薬では(解暑健胃止瀉)に用いられています。
その他に特に夏場での(風邪)や(頭痛)の治療にも使用されています。

また、香気が濃厚なので「香料」としても使用され、水蒸気蒸留によって取り出した「パチョリ油」は東洋的イメージの強い香水に使われています。


「香り」

全体的に強い香りが漂い、採取した精油「パチョリ油」は東洋的な香りがします。


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2015-04-22

薬種・香原料「龍涎香(りゅうぜんこう)」


「龍涎香(りゅうぜんこう)」


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動物性香料」としての「龍涎香」はずっと早い時期から重要な香料として重視されて来ましたが、その正体は長い間すっと不明のままでした。
色は灰色琥珀色黒色など様々あり、大理石の様な模様を持っている蝋状の固体で、心地よい芳香を漂います。
昔は「クジラの糞か?」あるいは「海に流れ込んた蜂の死骸か?」さらに自然界では見掛けない色や香りをしていますので、中国では「竜の涎が固まった物ではないか?」など様々な推測をされた程不思議な物でした。

そして今では「マッコウクジラ」の体内で消化出来なかったエサが消化分泌物によって結石化し、排泄された物だと分かりましたが、その生成の機構と香りの原因は未だに不明のままである。

龍涎香」は水より軽い為、海面に浮き上がる様になります。
よって、マッコウクジラが排出した物を偶然見つけて取る、あるいは死亡し、海面に浮かび上がった時に採取するしか方法はありませんでした。
その後、 商業捕鯨が行われ、鯨の解体時に入手する事が出来、商業的な供給が出来ました。
しかし、間もなく商業捕鯨が禁止されましたので(1986年以降)、今では昔の様に”偶然”でしか手に入る事が出来なくなりました。

ちなみに「龍涎香」は”酸化”する事によって香りが増えますので、長時間海面に浮かび上がった物ほど酸化が進み、「黄金色」を帯びている物が「良質」とされ、逆に直接クジラの腸内から取り出した「灰色」あるいは「黒い」物は、品質は良くありません。


「分布・起源」

英語:では「ambergris」と呼ばれ、それはフランス語の「灰色の琥珀」から来ています。
一番最初に香料として使用されたのは7世紀頃の「アラビア」だと考えられ、また、中国では自然界では見掛けない色と形、さらに良い香りをするから「竜の涎の塊」だと考えられていました。

日本では「室町時代」の文書に「龍涎香」に関する記載がありますので、日本に伝来して来たのはこの時期だと推測されています。


「用途」

香料として使用される事が多く、香水の香りを長く持たせる「保香作用」がありますので、多くの高級香水に「保香剤」として使用されております。
また、漢方薬として神経心臓治療にも使われています。


「香り」

そのままだと生臭いのですが、「乾燥」した後に「乳糖」を加え、少量な「アルコール」に浸けると、「乳香」と似た様な温和上品な香りがします。


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2015-04-21

薬種・香原料「霊猫香(れいびょうこう)」


「霊猫香(れいびょうこう)」

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麝香猫」、あるいは「シベット(civet)」とも呼ばれている動物の肛門近くにある分泌腺嚢から採取した分泌物で、雄雌両方共取る事が出来ます。
一般的に(インド)や(中国西南部)、(東南アジア)や(北東アフリカ)、 (エチオピア)や(ギニア)、さらに(セネガル)など色々な地域で生息していますが、実際「霊猫香」の採取を行っているのは(エチオピア)のみです。

1頭の麝香猫から1度の採取で約10グラムの霊猫香(分泌物)を取る事が出来、その分泌物はペースト状をしており、黄白色をしています。
そして空気に触れると徐々に黒っぽい暗褐色の塊になってしまいます。

分泌物の大部分は脂肪粘液であるが、主の香り成分は「シベトン」であり、これは麝香と同様にそのままだと強烈な悪臭がします。しかし薄めると逆に麝香を薄めた様な心地よい香りがします。

ただ麝香鹿と違い、ワシントン条約の保護動物ではなく、国際間の取引は規制されておりません。
しかし、その生産方法動物虐待的だと度々指摘される事があります。


「分布・起源」

麝香猫東南アジア北東アフリカなど様々な地域で生息していますが、香料の採取は(エチオピア)のみである。


「用途」

香りを長持ちさせる「保香効果」がありますので香水保香剤として使われ、また、薄めると心地よい香りが漂い、花の香りをさらに花らしくさせる効果がありますので、香水にも少量に配合する様にしています。
そして香料以外に漢方薬としても使われ、さらに古代エジプトでは「媚薬」として使用され、世界3大美女の1人「クレオパトラ」が体に塗っていたという言い伝えがあります。


「香り」

大部分は脂肪と粘液ですが、3%の香りの成分「シベトン」が含んでおり、そのままだと悪臭をしますが、麝香と同様薄めると優雅な香りがします。
その他にも「スカトール」という成分も含んでおり、これもそのままだと糞尿の様な悪臭がしますが、薄めると逆にジャスミンの様な花の香りがします。

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2015-04-21

薬種・香原料「麝香(じゃこう)」


「麝香(じゃこう)」

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麝香」は麝香鹿の生殖腺分泌物を粉末状にした物で、「動物性香料」であります。
ヒマラヤ山脈、チベットなど中央アジア、南シベリア、アッサム、雲南などの地域で生息し、になると雌を求めて発情し、その際に生殖腺の香嚢麝香が充満する様になります。

そのままだと糞尿の様な臭いをし、頭痛が起こる程鼻を刺す様な嫌な臭いがしますが、「千分の一」以上に薄めると逆に優雅官能的な香りが漂う事になります。
色は「暗褐色」、あるいは「黒褐色」であり、1頭から約30~60グラム取る事が出来ます。
また、ムスク (musk) とも呼ばれています。

非常に価値が高く、尚且つ人気のある香料ですが、過剰捕獲によって今では絶滅の恐れがある動物となり、ワシントン条約によって国際保護の対象となっている動物でもあります。
そのため、今は殆ど合成香料である「合成ムスク」が使用され、本物の麝香は殆ど使われておりません。


「分布・起源」

麝香鹿は主にインド中国チベットロシアネパールなどの地域で生存し、中国が主の産地ですが、チベット、ネパール、モンゴル産のがより品質が良いとされて来ました。
今では絶滅の恐れがあるので商業目的の国際取引が原則禁止となり、合成香料の「合成ムスク」が一般的に使用される様になりました。

麝香の「」という字は「鹿」と「」の組み合わせで、中国明代の「本草綱目」によりますと、鹿の香りは極めて遠い広い場所まで拡散しますので、この様な名前が付きました。
また、英語の「ムスク」はサンスクリット語の「睾丸」を意味している事から由来しています。


「用途」

主な用途は「香料」の原料として使われ、中国インドでは昔から「薫香」や「香油」、「」などに使われて来ました。
「千分の一」以上に薄く薄めると甘く官能的な香りをし、さらに香りを長持ちさせる効果がありますので、「香水」の素材として非常に重要視されて来ました。

また、呼吸中枢の心臓を「興奮」させる作用や「男性ホルモン」の様な作用がありますので、日本では(六神丸、宇津救命丸、奇応丸、救心)など伝統的家庭のに使用され、さらに日本だけではなく、中国での漢方薬でも「煎じ薬」の原料として使われております。

中国漢方薬では生薬として「天然の麝香」が使用されるが、輸出用、あるいは安価な生薬として使用する場合「合成品」が使われる様になっています。


「香り」

そのままだと強烈なアンモニア匂いがしますが、「千分の一」以上薄くすると優雅官能的な香りがします。

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2015-04-20

香りを長持ちさせて何時までも手元に置く事は全ての人間の「欲」である。


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良い香り、あるいは好みの香りを何とか長持ちさせて何時までも手元に置く事は、東洋時代場所関係なく、全ての人々の「欲望」ですね。
しかし、残念な事に、薔薇や百合など多くの「植物性香料」は揮発性強く、一瞬の香りを与えた後、消えてしまうのが殆どです。
そこで、「何とか香りを留めておく事は出来ないか?」と既に紀元前3世紀から香りを長持ちさせようとする研究が行われており、あるギリシィア人はオリーブ油やごま油を基調に、薔薇の香りと色を溶かして「薔薇香油」を作りました。



やかて、オリーブ油やごま油など「」の代わりに、麝香海狸香霊猫香など「動物性香料」が使われる様になりました。
これら「動物性香料」は動物の生殖器の隣にある「香嚢」の内容物を粉末にしたもので、沸点が非常に高く、尚且つ揮発性弱いので、揮発性が強い薔薇や百合など「植物性香料」にほんの僅か配合するだけで香りを長持ちさせる事が出来ます。



また、「動物性香料」はそのままだと非常に強烈な糞尿の様な臭いがしますが、「千分の一」より少なく薄めると、逆に優雅官能的な香りがします。
そのため、「保香剤」としてだけではなく、「香料」としても非常に高い人気を持っています。
保香剤は「動物性香料」の他に、安息香、白檀、貝香等も使われております。



そしてヨーロッパでは香料をアルコールに溶かして「香水」を発明するなど、「何とかして香りを長く留めておく!」という思いが様々な新しい物の発見・発明のキッカケとなっているでしょう。


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2015-04-19

薬種・香原料「貝香(かいこう)」


「貝香(かいこう)」


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貝香」は(ホラガイ、テツボラ、ヤコウガイ、タニシ属、バイ属、サザエ属)など中国南海紅海にいる様々の「巻き貝の蓋」を細かく砕いた物です。
特定の巻き貝から作られるではなく、大型の巻き貝の物であれば何でも良いとされている。
そして現在日本で「薫香料用」として利用されている貝香は主にアフリカ産の貝から作られた物が殆どである。
甲香(こうこう)」とも言われています。


「分布・起源」

主の産地はアフリカ中国であり、螺属(まき貝)の蓋を細かく砕いた物であります。
現在は主に南アフリカの「モザンビーク産」の物が使われております。


「用途」

昔化からアラブイスラム教儀式には欠かせない香料であり、日本では医療品としては使用されていないが、中国では炭酸カルシウムの「制酸作用」を期待して胃腸薬として使われております。
また、粉末にして練香の材料などにも使われていますが、貝香自体燃やした時には香りではなく、表面に付着している微量の蛋白質が燃える匂いが出ますので、余り良い匂いではないですが「保香効果」がある事によって、主に香り安定し、発散させない様に防ぐ「保香剤」として使われています。


「香り」

炭酸カルシウム自体は燃やしても匂いは出ませんが、貝の表面に僅かに付着している蛋白質の燃える匂いがします。

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2015-04-19

薬種・香原料「零陵香(れいりょうこう)」


薬種・香原料「零陵香(れいりょうこう)」

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零陵香はサクラソウ科のモロコシソウの地上部の全草を乾燥させた物で、「薫草」とも呼ばれています。
生薬として使われています。

また、シソ科カワミドリの全草を乾燥して使ったという文献もありますが、今現在使われているのは殆ど(モロコシソウ)、またはそれに近い(近縁)な物であります。
ただし、産地は(中国広西省、広東省、江蘇省や浙江省)など地域の物は、「カミメボウキ等シソ科」の物が殆どです。

細く柔らかく灰緑色でよく乾燥されており、香り強くの付着が少ない物が良品とされています。

中国での漢方薬は同じ薬効の物は同じ名前で流通されていることがありますが、その場合は殆ど「薬効」を比較して「同じ生薬として」流通しているにすぎない。
薫香の素材として使用する場合薬効ではなく、「香り」が重要となりますので、薬効が同じでもその香りが違う場合も多い為、購入する際に十分に注意を払う必要があります。


「分布・起源」

この草は中国広東省)が原産地ですが、今ではアラビアでも栽培されております。


「用途」

有効成分に関してはまだまだ研究が進まれていないが、やはり「精油含量」が品質評価の指標だと考えられており、多くの場合中国漢方薬で「芳香性健胃剤」として(食欲不振腸もたれ鼻づまり歯痛)などを治療する為に使われているが、日本では医薬品として使われていない。

また、香料スパイスとしてカレー粉等に使われたり、薫香塗香の素材として使用されております。


「香り」

甘松」と同じく強烈な香りを持っており、また僅かな甘さを含んております。

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2015-04-18

薬種・香原料「木香(もっこう)」


「木香(もっこう)」

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木香」の基原植物とされる (S.lappa)はインド北側のカシミール地方に原産し、今まではそれらの越年生草本の主根を乾燥した物を使っていましたが、近年では絶滅危惧種として「ワシントン条約の付属書Ⅱ」に輸出制限のある物として指定されました。
その為、今では中国政府から輸出許可証が発行されている「雲南省」での栽培品を輸入しています。

つまり、ワシントン条約発行前までは自生地の「インド産木香」が主に輸入されましたが、現在では例え栽培しても「輸出許可証」が発行されないので、「輸出許可証」を発行している「中国産木香」や一部の「パキスタン産木香」が主に輸入されているのですね。
主の栽培地である雲南省では、「品質は乾燥し、根条が均一で、質が堅く、味と香りが濃く油気があり、枯れも空洞も無く、外皮が灰黄色の物が良品である」という商品規格が設定されております。


「分布・起源」

現在市場では「唐木香(広木香、インド木香) 」、「青木香」、「土木香」、「川木香」の4つの木香がありますが、それぞれ起源植物が異なっております。

1.「唐木香(広木香、インド木香) 」:キク科の(Aucklandi、lappa DECNE)の根で、正品の木香で古代には青木香と称された。

2.「青木香」:ウマノスズクサ科のウマノスズクサ、及び(マルバウマノスズクサ)の根。

3.「土木香」:キク科のオオグルマの根で、ヨーロッパ原産の植物となります。

4.「川木香」:キク科の(Vladimiria soulieiliNG)の根、通常根頭部を焼いて調整してから使用する。

そして産地は以下の様になっております

唐木香(広木香、インド木香) 」:インド、中国 (雲南省)

青木香」:中国 (江蘇、安徽、東北諸県)など

土木香」:中国 (河北省) 、日本(奈良)

川木香」:中国 (四川省)


「用途」

普段は香料として使用される他、「抗菌作用」がありますので、漢方薬では(健胃剤)として使われたり、(嘔吐、下痢、腹痛)などを治療する胃腸薬の原料としても使われております。
また、書画、書物の防虫剤の原料としても使用されています。


「香り」

に含んている精油が香りの元で、スミレアイリス根油に似た香りを持っています。
また、の様な香気をするとも言われております。

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2015-04-18

薬種・香原料「甘松(かんしょう)」

「甘松(かんしょう)」


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甘松」はヒマラヤ高地から中国南西部の高山帯、さらにインド東北部に自生している(オミナエシ科)の多年草、ナルドスタキス、あるいはそれと同属の植物の「根や根茎」を乾燥して用いる物で、甘味があるので「甘松」という名が付きました。
インドネパールに分布するナルドスタキスの中国名は「寛葉甘松」で、日本産の「吉草根(きつそうこん)」も甘松の一種とされています。
寛葉甘松」の根や根茎には(ヤタマンシン)を主成分とした独特の芳香をする精油が含まれており、「甘松香」の根には(ナルドシノン、バレラノン)など芳香を漂う成分が含まれおります。


「分布・起源」

ナルドスタキスヒマラヤ高地から中国西南部の高山帯に自生し、四川省の松州に産しております。


「用途」

ワレリアナ根と似た「鎮静作用」があり、さらに含まれているバレラノンには「抗不整脈作用」がありますので、主に漢方薬として「理気、止痛、健胃」の他、「胃痛、腹部膨満、頭痛、慢性下痢、嘔吐、食欲不振」などの治療にも使われております。
また、薫香の材料としても使用されております。


「香り」

お香では「苦さ」を表現する為に使用され、苦、鹹、甘の順で、最後には甘く深い香りがします。

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2015-04-17

薬種・香原料「竜脳(りゅうのう)」


「竜脳(りゅうのう)」

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スマトラ島北西部のバルス、マレー半島南東のチューマ島、ボルネオなど熱帯多雨林で生息している(竜脳樹)から採出する「樹脂」であります。
その固まった樹脂の結晶は脳髄に似ているから「竜脳」という名前が付きました。
香りは中国の樟木から採取する「樟脳」に似ているが、揮発性が樟脳と比べると乏しい、しかし香気樟脳勝る
採集が困難の為その値段は非常に高価で、12世紀頃から香りが似ている上、採集が容易な「樟脳」が代わりに使われてきました。

それ以来、衣服の防虫剤などは「竜脳」に代わって「樟脳」が使われるのが一般的であります。


「分布・起源」

最初はスマトラ島の住民が暴風や雨で亀裂を起こした古い竜脳樹から良い香りが漂う事に気付き、そしてその強烈な香りを放つ白い結晶を見付けました。
また、この木に含まれているを頭に塗ると頭痛が治る事から、この結晶と油を「神からの奇跡な贈り物」だと考えられていました。
この結晶と油こそが「竜脳」という香料です。

その後歴史的に、紀元前後にはインド人6~7世紀には中国人マレースマトラとの間ので「天然カンフォル(樟脳)」の取引を行いました。
竜脳」は「樟脳」と比べて香りは勝りますが、採集が困難故希少価値が高く、値段も高価なのでしばしば「樟脳」を代用品として使われて来ました。
そしてイスラム商人も加わり、大航海時代前から香料貿易の重要商品となりました。


「用途」

古くから防虫剤防腐剤などの原料として使われ、日本では約1500年前のマルコ山古墳から発掘された遺骨から「竜脳」の香りが漂う事から、太古から被葬者防腐剤としても使われていた事が分かります。
そして書道のでも僅かな「竜脳」を配合し、優雅な香りが漂う様になります。

また、アラビア人は香りを楽しむ他に冷気も楽しみ、柘榴(ザクロ)、葡萄、桑の実などの果物に混ぜて水で冷やしてした様です。
中国ではお香漢方薬の材料として、ヨーロッパでは香水医薬品の原料として利用されてきました。

今では竜脳に代わって「樟脳」が使用されるのが一般的であります。


「香り」

涼しけで清涼感のある香りに加え、澄み渡る清々しさ優雅上品な香りがします。


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2015-04-15

薬種・香原料「安息香(あんそくこう)」


「安息香(あんそくこう)」



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ツツジ目エゴノキ科エゴノキ属の(アンソクコウノキ)、またはその他同属の植物が採出した「樹脂」であります。
最初の分泌液は乳白色ですが、空気に接続するとしだいに赤褐色の塊になり、その塊を砕くと、白い不透明、あるいは薄い赤褐色の中身が表れます。
透明度が高い程、上質とされています。

主要成分は「安息香酸」であり、その他に産地によって「エステル」や「肉桂酸」が含まれております。
安息香」という名前の由来はいくつもの説がありますが、大まがいに以下の様な物があります。

1.漢名が「安息」の(パルティア)の香りと似ているので、「安息香」という名前が付きました。

2.中国の「明」の時代に書かれた「本草綱目」に諸邪を”安息”する効果がある事から「安息香」という名が付けられたという記載がある。

3.呼吸器の粘膜を刺激して「」を排出し、息を安らかにする効果が有る事から「安息香」という名が付きました。


「分布・起源」

「安息香」の主の産地はベトナム、ラオス、タイ、マレー半島、スマトラ、ジャワなどの熱帯地域の高原地方を中心とした「インドシナ半島」と「インドネシアスマトラ島」であります。

インドシナ半島」と「インドネシアスマトラ島」の生成している樹木が違うので産出した安息香もそれぞれ違い、前者は「シャム安息香 」、後者は「スマトラ安息香」と区別されております。
産出量は「スマトラ安息香」の方が多いですが、品質的には(バニリン)をより多く含めている「シャム安息香 」の方がです。
また、「シャム安息香 」ではベトナム産、「スマトラ安息香」はスマトラ産が最良品とされております。


「用途」

香料として使用される他、含まれている安息香酸は「静菌作用」がありますので、数種類の香料を配合する時の「保香剤」、「安定剤」などに使われ、薬用では「去痰剤」や「腹痛・リューマチの鎮痛剤」、「解熱剤」など、さらに「慢性潰瘍の治療」にも使われております。


「香り」

シャム安息香 」と「スマトラ安息香」はそれぞれ含まれている成分が違うので、持っている香りも違います。
*(バニリン)がより多く含まれている方が香気が強く、香料としては上です。

シャム安息香 」:(安息香酸)と(エステル)が主成分で、(バニリン)は3%程度含まれています。

スマトラ安息香」:(ケイ皮酸)と(エステル)が主成分で、(バニリン)は1%程度しか含まれておりません。

全体的にはバニラのような甘い香りがしますが、(バニリン)がより多り含んているシャム安息香の方が甘美な香りが強いです。


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2015-04-14

薬種・香原料「大茴香(だいういきょう)」

「大茴香(だいういきょう)」


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中国原産の赤褐色な花をした(シキミ属)の常緑高木から採出した「果実」が、香料となる「大茴香(だいういきょう)」であります。
果実を乾燥させた物は8つ角を持った星の形をしており、さらにアニスウイキョウに似た様な良い香りをする為「スターアニス」や「八角(はっかく)」、「八角茴香(はっかくういきょう)」などで呼ばれています。
主に中華料理(特に四川料理)で使用され、豚の角煮などの煮込み料理の他に、デザートなどにも使われております。
他のスパイスと混ざって*「五香粉」として使用されます。

*「五香粉」:中国代表的な混合香辛料で、(桂皮、丁香、花椒、小茴、大茴、陳皮)などの粉末によって作られております。五香と表示していますが、常に5種類のスパイスに限られた訳ではなく、メーカーによって使用するスパイスや配合割合が異なります。
そのため、五香の「五」は「多い」という意味を示しているのが殆どです。

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「分布・起源」

大茴香(だいういきょう)」を産出する(シキミ属の常緑高木)は中国広西チワン族自治区南部とベトナム北部の国境に自生し、さらに中国南部や南部インド、インドシナ半島でも栽培されておりますが、中国が最大の生産国となっております。


「用途」

芳香料として使用されるだけではなく、中国料理スパイスとして利用されたり、杜仲と木香とを配合した漢方薬「思仙散」にも使用されます。


「香り」

少し樟脳に似た野性的な香りが特徴で、甘さと僅かなほろ苦さがあります。

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2015-04-14

薬種・香原料「丁子(ちょうじ・クローブ)」

「丁子(ちょうじ・クローブ)」


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フトモモ科の植物チョウジノキの木の深紅色の花を、開花する前の「花蕾(つぼみ)」の時点で摘み取り、乾燥させた物です。
木は約20メートルもある程高く、そのものが香りを漂いますが、中では特に開花前の花蕾が強い香気を持っています。
ヨーロッパの魚料理や肉料理、インドのカレーやケーキ、果実アルコールなど様々な用途に使用され、強烈刺激的な香りを持つ事で世界中的に愛用されています。

中国では形が鶏の舌に似ているので「鶏舌香(けいぜつこう)」と呼ばれたり、釘に似ているので「釘」と同義の「丁」を使い、「丁香」、「丁子」などで呼ばれる事がしばしばです。
そして英語でも同様に形が釘に似ているので、釘を示しているラテン語「クローブ」で呼んでいます。
非常に強い香りを持っていることで「百里香」とも呼ばれる事もあります。


「分布・起源」

丁子」を産出しているフトモモ科・チョウジノキの木はインドネシアのモルッカ群島アフリカ東海岸マダガスカル島西インド諸島などで生息しています。
今では主に(インドネシア、スリランカ、マダガスカル、ペナン、モーリシャス、ザンジバル、ドミニカ)などで栽培されています。

強い(殺菌作用)がありますので、インド中国では紀元前から殺菌・消毒剤にとして使われており、シリアでは紀元前1721年内外の陶器の壺の中から「丁子(クローブ)」が発見されていました。
そして古代中国では臣下が皇帝の前に出る時、口臭を消す為にクローブを口に含んだという記録が見られます。

その後中国商人がセイロン島を経由してヨーロッパに絹と共に「丁子(クローブ)」を持ち込み、6-7世紀頃にはヨーロッパの貴族の間で珍重される様になりました。
ただしその頃、原産地ではまだその価値が把握されておらず、そのため中国商人が長い間原産地を秘匿したまま交易商品として商売をしました。

そして西洋諸国が正式に「丁子(クローブ)」の原産地を発見したのは1511年ポルトガル人(デ・アブレウ)と(セラウン)がバンダ諸島を発見してからです。

日本えは5-6世紀頃には既に紹介され、 正倉院宝物の中にも当時輸入された「丁子(クローブ)」があります。


「用途」

様々な肉料理やカレーなどに香辛料として利用され、また、(カルダモン、シナモン(桂皮)、ショウガ)と合わせてマサラ・チャイなどの香り付けにも使われております。

*マサラ・チャイとは?

漢方薬では芳香健胃剤食欲増進女神散柿蒂湯にも使われています。

また、「丁子(クローブ)」の精油(丁子油)は強い殺菌・防腐作用と軽い麻酔作用がありますので、今では歯医者鎮痛剤としても使われ、ゴキブリはこの香りを嫌がりますので、ゴキブリ除けとしても使用されています。
さらに防腐作用によって日本刀錆止めにも使われていました。
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「香り」

非常に香りが強く、刺激的でスパイシーな芳香を持ちますが、僅かなバニラの様な甘い香もします。

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2015-04-12

薬種・香原料「桂皮(けいひ)」


「桂皮(けいひ)」


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熱帯に生育するクスノキ科の常緑樹の樹皮をはいて、管状に巻いて作らた香辛料であり、生薬として使用される時は「桂皮」とも呼ばれ、ケーキやクッキー、パイなど様々なお菓子や料理の他に、シナモンティーやマサラ・チャイなどのお茶にも「スパイス」として使用されています。
香の原料として欠かせない香料でり、香りが高く、「スパイスの王様」とも呼ばれる程です。

原産地は中国南部からベトナム辺りだと考えておりますが、今では熱帯各地で幅広く栽培され、品種によって3つに分けられます。

中国・ベトナム産の「シナ肉桂(カシア・桂)」
日本産の「肉桂(日本桂皮・ニッキ)」
スリランカ産(セイロン島)の「セイロンシナモン

この3つは共に「桂皮」と呼ばれ混同され易いが、品種が違い、含まれている成分もそれぞれ違います。
*(特に中国・ベトナム産のカシアは香りの成分の一つ”クマリン”が多く含まれており、過剰摂取すると肝障害の恐れがあります)


「分布・起源」

シナモン」は古く紀元前4000年頃のエジプトで木乃伊を作る際、防腐剤として使用され、また、紀元前6世紀頃に書かれた旧約聖書(エゼキエル書)と古代ギリシア詩人(サッポー)の書いた詩にもシナモンが使用された記載が見られます。
中国では(25年-220年)の後漢時代に書かれた薬学書「神農本草経」で初めて記載されました。
日本では8世紀前半頃に伝来し、正倉院宝物の中にもシナモンが残されております、しかし樹木として正式に日本に入って来たのは「江戸時代の享保年間」であります。


「用途」

南アジア中東北アフリカなどの地域では料理やお茶でのスパイスの他にの材料として頻繁に使用されたり、中国漢方薬では”百薬の長”として(健胃剤、鎮痛剤、解熱剤、腹痛)などに使われております。
さらに抽出したシナモン油は消臭剤化粧石鹸香水などに使われます。


「香り」

スリランカ産(セイロン島)の「セイロンシナモン」は噛むとあっさりした甘さがあり、薬臭さや苦さは無く、辛みもない上品な香りをしています。

中国・ベトナム産の「シナ肉桂(カシア・桂)」は甘味はありますけどセイロンシナモン程ではなく、比較的にビターな香り(苦さ、渋さを残る)をしています。香りの刺激も強く、薬臭さがあります。

日本産の「肉桂(日本桂皮・ニッキ)」はシナ肉桂と比べて甘さが殆ど無く、辛さ苦みを持ち、刺激の強い独特な香りがします。


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2015-04-11

薬種・香原料「乳香(にゅうこう)」


「乳香(にゅうこう)」

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ムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される「乳白色の樹脂」であり、没薬と共に歴史的記述の中で一番最初に書かれた香料でもあります。
英語では「オリバナム(Olibanum)」や「フランキンセンス(Flankincense)」と呼ばれ、フランス語では「アンサン(Encens)」と呼ばれています。
採集する時、幹に傷を付けると最初は透明で淡褐色の樹液が漏れ出し、そして空気に触れて固まり、約1-2週間経つと白くて半透明で固まったミルクの様な固まりが出来上がります。
この固まったミルクの様な白い固まりが「乳香(にゅうこう)」となります。

古代エジプトでは神に捧げる神聖な香として見られ、キリスト教の東方の三博士がイエス・キリストに捧げた3聖物の中にも乳香があります。
かつては樹木の種類産地によって性質が大きく異なり、さらに樹木を栽培によって増やす事は難しいので、と同様な価値で取引されていました。


「分布・起源」

ボスウェリア属の樹木は、オマーンなどの南アラビア、ソマリア北部などの東北アフリカ、さらにインドなどで自生しています。


「用途」

抗菌作用がありますので、漢方薬で鎮痛解毒止血消炎筋肉攣縮攣急の緩和に使われ、そして南アラビア地域では乳香樹脂をガムの様に噛む事によって、リラクゼーション唾液分泌促進の効果を得ています。

また、古くからとして焚いたり、香水に使用する香料の原料としても使用されました。

しかし近年では水蒸気蒸留で採出した精油は食品や飲料、さらに香水の香料として添加され、中には(シトラス系、オリエンタル系、インセンス系、フローラル系)など様々種類の香水に使用されております。
また、最近では乳香そのものより、採出した「精油」の方が香料として重視されている様です。


「香り」

に入れると乳白色の液体になり、甘みと僅かな苦み辛みがします。
そして焚く上品優雅な香りがします。


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