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2015-04-20

香りを長持ちさせて何時までも手元に置く事は全ての人間の「欲」である。


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良い香り、あるいは好みの香りを何とか長持ちさせて何時までも手元に置く事は、東洋時代場所関係なく、全ての人々の「欲望」ですね。
しかし、残念な事に、薔薇や百合など多くの「植物性香料」は揮発性強く、一瞬の香りを与えた後、消えてしまうのが殆どです。
そこで、「何とか香りを留めておく事は出来ないか?」と既に紀元前3世紀から香りを長持ちさせようとする研究が行われており、あるギリシィア人はオリーブ油やごま油を基調に、薔薇の香りと色を溶かして「薔薇香油」を作りました。



やかて、オリーブ油やごま油など「」の代わりに、麝香海狸香霊猫香など「動物性香料」が使われる様になりました。
これら「動物性香料」は動物の生殖器の隣にある「香嚢」の内容物を粉末にしたもので、沸点が非常に高く、尚且つ揮発性弱いので、揮発性が強い薔薇や百合など「植物性香料」にほんの僅か配合するだけで香りを長持ちさせる事が出来ます。



また、「動物性香料」はそのままだと非常に強烈な糞尿の様な臭いがしますが、「千分の一」より少なく薄めると、逆に優雅官能的な香りがします。
そのため、「保香剤」としてだけではなく、「香料」としても非常に高い人気を持っています。
保香剤は「動物性香料」の他に、安息香、白檀、貝香等も使われております。



そしてヨーロッパでは香料をアルコールに溶かして「香水」を発明するなど、「何とかして香りを長く留めておく!」という思いが様々な新しい物の発見・発明のキッカケとなっているでしょう。


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2015-04-09

「無限」な香りを作り上げるお香。


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」の原料となる天然香料の中には「漢方薬」の薬種として使われている物も多く、有名な「桂皮」や「乳香」から、あまり知られていない「零陵香」や「排草香」など、様々な物があります。

そして「練香」や「線香」などの香を作る際、一番大切なのは「調和ブレンド)」技術であります。
」が様々な香りを出す事が出来、無限な可能性を生じるする事が出来るのはまさにこの「調和(ブレンド)」技術のお掛けで、どの香料をどれぐらいの量で混ぜ合わせるのか、あるいは何を隠し味に使うのかによって、様々な独有な香りを生じる事が出来ます。

特に高級品の「線香」の場合、7~15種類の香料を使う事があり、さらに「練香」は多い場合、20種類以上の香料を使う事も珍しくありません。
ただ、この様に必要使用量が多い一方、殆どの香料は”天然”素材なので、希少価値が非常に高く、故に値段も高価です。
そのため、香料を調和する際かなり慎重に行う必要があり、失敗は許されません。

多くお香を製造する職人達は新しいお香を製造する前に、まず最初頭の中に「作りたい香りのイメージ」を浮かべ、そしてそのイメージを浮かびながら「サンプル」を作ります。
その後イメージ通りの香りを上手く出来上がったら、配合通りに原料を合わせて正式に「製品」として作ります。

香料香木の多くは天然素材で、その種類にみではなく、”産地”によって所持している香りも違いますので、イメージ通りの香りを作り出すのは案外難しい事ですね。
しかし、これらを自由に組み合わせる事によって、無限な種類の香りを作り出す事が出来ますので、困難ですが、一方大きな楽しみが得られるのも事実でしょう。

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2015-04-05

「お香」の歴史と日本での発展


宗教での信仰から日常生活の嗜みまで、今になって「お香」は多くの人の馴染みの深い物となりましたね。
特に仏教の歴史が長い日本では、ふっとした瞬に「お香」の香りを嗅ぐと懐かしい思いが浮かび上がります。

日本で最初に「お香」が使われていたのは、538年(552年という説もあります)の「飛鳥時代」だと言われています。
そして「日本書紀」によると、「香木」が日本へ渡来した時期は推古三年(595年)となります。
元々仏教と発祥地であり、さらに香辛料の一大産地である「インド」が宗教の儀式(お祓いや癒し、浄化)として使われ、その後中国に伝わり、やがて日本に伝わり発展したという事です。


「~飛鳥時代」
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538年、あるいは552年):仏教日本に伝わり、その際「お香」も重要な儀式用品として同時に日本に入りました。

595年):「日本書紀」にある香木が淡路島に漂着し、その後島の住人がそれを焚いたらその芳香に驚いてそれを朝廷に献上し、最終的に聖徳太子がその香木を「沈香」と鑑定したという記載があります。


「~奈良時代」
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当時にはまだ仏前を浄めたり、お祓いをする為に「供香」として使われたので依然に「宗教的」な意味合いが強く、香料は直接火に付けて使われていました。
その後「中国の唐」との交易で「鑑真和上」が来日し、仏教の戒律の他に様々な香薬を日本にもたらしました。
また、「香の配合」と「煉香」の技術も一緒に伝わる事によって、「間接的」に熱を加えて使用する焚き方が出現しました。


「~平安時代」
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平安貴族の間に香料を複雑に組み合わせて香りを楽しむ「薫物」が広まり、宗教に用いるではなく「娯楽」として「香り」を楽しむ文化が開花しました。
当時は自身独有の「煉香薫物)」を創り、自身を表現する事は貴族として一つ大切な教養とされました。
そして「煉香(薫物)」の他に、衣服や部屋に香りを移す「移香」も楽しんでいました。
「枕草子」や「源氏物語」など平安時代の王朝文学にも「香」に関する記載が多く見られます。


「~鎌倉・室町時代」
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武士が台頭し、さらに禅宗が広まった事によって”香木”その物を重視し、「香木の香りを極める」という精神性がより尊重され広まりました。
そしてこの頃はさらに香木の繊細な香りを鑑賞出来る「聞香」が確立されました。
中でも複雑で濃艶な香りではなく、清爽優雅な香りを放つ「沈香」が武家に人気で、鎮静効果に優れているのでよく戦の前の高ぶる気持ちを鎮める為に使われました。


「~江戸時代」
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貴族や武士だけではなく、裕福な「町人」にも「香」の文化が広がり、娯楽に「組香」の制作やそれらの香を楽しむ為に必要な数々品質の高い「香道具」も作られました。
さらに香を鑑賞する様々な作法も確立され、「道」としての「香道」が正式に確立された時代でもあります。
そして中国から「線香」の制作方法が伝われる事によって、一般庶民の間に「線香」の使用が広まりました。

*組香:数種の香をたき、その香の名を言い当てる遊び。


「現代」
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様々な神事や宗教での祈りの他に、忙しい現代社会で心を癒すために使われたり、さらに業界も現代人好みな数々新しい香りを開発しています。

2015-04-04

「香」とは?

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」は古来、白檀、沈香、伽羅など「香りが付いている」天然香木の”香り”を指しており、その後様々な信仰や宗教によって(線香、焼香、抹香、塗香)など作られ、これらの香りを「お香、御香」と総称しています。

「香」や「お香」と言えば、仏教の発祥国”インド”と密接な関係がありますね。
インドは古くから天然香木を多く産出しており、また気温が熱く、酷暑の気候によって発生した悪臭体臭を防ぐために「お香」を焚いたりしました。
また、「仏教」ではお香を焚く事で不浄を払い心識を清浄出来る事から仏前で香を焚いたり、さらに仏像、仏具の材料も「香木」を使う事が多い事によって、「香」は重要な役割を果たしてきました。

そのため、経典の中にも「」についての記述はかなり多いです。

ちなみに「仏教」のみではなく、他の宗教でも「」を使用する事があります。
*(キリスト教の正教会では頻繁に「振り香炉」を使用しています)

「香」の多くは香木の樹脂や木片、果実、花などから作られていますが、大きく分けて「塗布用」と「焚焼用」の2種類があります。そして”用途”によってさらに5種類に分ける事が出来ます。

インド式の香)
1.香水(こうずい):香を混ぜた水。
2.塗香(ずこう):粉末状の香。*主に体に塗る。
3.含香(がんこう):口に含む香木の実。
4.焼香(しょうこう):粉末状の抹香、または香木を削った物を火を付けて使用する。

中国日本式の香)
5.線香(せんこう):宋代の支那で開発され、日本では近世以後「禅宗・浄土宗」などを中心に広く使用された。


」の歴史は非常に古く、紀元前3000年前の「メソポタミア文明」にまで遡る事が出来ます。
その原材料として使われている物も非常に多く、(白檀、丁香)などの樹皮から(乳香、安息香)など樹脂まで、さらに(麝香、竜涎香)など動物の体から採出した物もあります。

香の香りを嗅ぐ事によって脳が「アルファ波」や、「エンドルフィン」などリラックスをさせる物質を分泌しますので、癒しの効果があり、忙しくストレスが溜まりやすい現代社会には持って来いですね。

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